「知らない人が部屋にいると言うことがある」
「日によって、しっかりしている時とぼーっとしている時がある」
「歩幅が小さくなり、転びやすくなった」
「寝ている時に大声を出したり、手足を動かしたりする」
このような症状がある場合、レビー小体型認知症が関係していることがあります。
レビー小体型認知症は、認知症の一つですが、もの忘れだけでなく、幻視、認知機能の変動、パーキンソン症状、睡眠中の異常行動、自律神経症状などがみられることが特徴です。
アルツハイマー型認知症とは症状の出方が異なるため、「年齢のせい」「普通の認知症」と思い込まず、特徴を理解して対応することが大切です。
この記事では、レビー小体型認知症の特徴や生活で困りやすいこと、リハビリで大切なポイントについてわかりやすく解説します。
レビー小体型認知症とは?
レビー小体型認知症とは、脳の神経細胞に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質がたまることで、認知機能や運動機能、自律神経などにさまざまな症状が出る病気です。
認知症というと「もの忘れ」をイメージされることが多いですが、レビー小体型認知症では、初期からもの忘れが目立たない場合もあります。
一方で、
実際にはいない人や虫が見える
頭がはっきりしている時と、ぼーっとしている時の差が大きい
歩幅が小さくなる
動きが遅くなる
転びやすくなる
寝ている時に大声を出す
立ちくらみや便秘がある
といった症状がみられることがあります。
特に、幻視やパーキンソン症状がある場合は、レビー小体型認知症の可能性も考えて、専門医に相談することが大切です。
レビー小体型認知症で起こりやすい症状
■① 幻視がみられることがある
レビー小体型認知症で特徴的な症状の一つが、幻視です。
幻視とは、実際には存在しないものが、本人にははっきり見える症状です。
例えば、
部屋に知らない人がいる
子どもが歩いている
虫や動物が見える
カーテンや模様が人の顔に見える
何かが動いているように見える
といった訴えがみられることがあります。
本人には本当に見えているため、周囲が「そんなものはいない」と強く否定すると、不安や混乱が強くなることがあります。
まずは本人の不安を受け止めながら、安心できる声かけや環境調整を行うことが大切です。
■② 認知機能の変動がある
レビー小体型認知症では、頭の働きや注意力に波が出ることがあります。
例えば、
朝は会話ができたのに、午後はぼーっとしている
昨日はしっかりしていたのに、今日は反応が遅い
話しかけても集中が続かない
日によって理解力に差がある
眠そうな時間が増える
といった変化がみられます。
このような状態は、家族から見ると「急に悪くなった」「わざと返事をしていない」と感じられることもあります。
しかし、レビー小体型認知症では、調子のよい時間帯と悪い時間帯があることを理解し、無理に活動を求めすぎないことが大切です。
リハビリや生活動作の練習も、本人が比較的はっきりしている時間帯に行うと取り組みやすくなります。
■③ パーキンソン症状がみられることがある
レビー小体型認知症では、パーキンソン病に似た運動症状が出ることがあります。
具体的には、
動きが遅くなる
歩幅が小さくなる
小刻み歩行になる
足がすくむ
筋肉がこわばる
姿勢が前かがみになる
手が震える
転びやすくなる
などです。
特に、歩き始めや方向転換、狭い場所で足が出にくくなることがあります。
また、前かがみ姿勢やバランスの低下によって転倒リスクが高くなるため、早めに歩行状態を確認することが重要です。
■④ 睡眠中の異常行動や自律神経症状
レビー小体型認知症では、睡眠中に大声を出したり、手足を動かしたりすることがあります。
夢の内容に合わせて体が動いてしまい、ベッドから落ちたり、隣で寝ている家族に手が当たったりすることもあります。
また、自律神経の働きが乱れることで、
立ちくらみ
便秘
尿失禁
汗の調整が難しい
体温調整がしにくい
食欲低下
などがみられる場合もあります。
歩行障害に加えて立ちくらみがあると、転倒リスクがさらに高まります。
「最近よくふらつく」「トイレで倒れそうになる」「寝ている時の動きが激しい」といった変化がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

生活で困りやすいこと
■① 幻視による不安が強くなる
幻視があると、本人は「誰かがいる」「虫がいる」と感じて不安になることがあります。
周囲が否定しても、本人にとっては見えているため、安心できないことがあります。
対応では、
まず本人の不安を受け止める
部屋を明るくする
影や模様が見えにくい環境にする
物を整理して見間違いを減らす
落ち着いた声で説明する
ことが大切です。
無理に説得するよりも、安心できる環境を整えることが重要です。
■② 転倒しやすくなる
パーキンソン症状があると、歩幅が小さくなったり、方向転換でふらついたりすることがあります。
特に注意したい場面は、
歩き始め
方向転換
狭い通路
玄関
階段
トイレ
浴室
夜間の移動
です。
レビー小体型認知症では、注意力の変動や立ちくらみも重なるため、単なる筋力低下だけではなく、認知面・自律神経面を含めた転倒予防が必要になります。
■③ 日によってできることが変わる
レビー小体型認知症では、同じ人でも日によって状態が変わることがあります。
昨日できたことが今日は難しい、午前中は動けたのに夕方はぼーっとする、ということもあります。
そのため、
できない日があっても責めない
調子のよい時間帯に活動する
予定を詰め込みすぎない
休憩をこまめに入れる
無理に急がせない
ことが大切です。
家族や支援者が「波がある病気」と理解しておくことで、本人への関わり方がしやすくなります。
■④ 家族の見守りや介助負担が増える
幻視、転倒、睡眠中の異常行動、日中の眠気などがあると、家族の見守りが必要になる場面が増えます。
特に、
夜間に起きる
トイレに急ぐ
幻視で不安になる
歩行が不安定になる
薬の管理が難しくなる
食事や入浴に時間がかかる
といった場面では、介助する側にも負担がかかります。
本人の安全だけでなく、家族が無理をしすぎない仕組みづくりも大切です。
治療とリハビリの考え方
レビー小体型認知症では、医療機関での診断と治療が大切です。
治療では、症状に応じて薬物療法が検討されることがあります。
例えば、
認知機能への薬
幻視や不安への対応
パーキンソン症状への薬
睡眠障害への対応
便秘や立ちくらみなど自律神経症状への対応
などです。
ただし、レビー小体型認知症では薬に対して過敏に反応することがあるため、自己判断で薬を増やしたり中止したりせず、必ず主治医と相談することが重要です。
リハビリでは、病気そのものを治すというよりも、
転倒を予防する
歩きやすさを保つ
日常生活動作を続けやすくする
幻視や混乱が起こりにくい環境を整える
家族の介助負担を減らす
その人らしい生活を続ける
ことを目的に行います。
レビー小体型認知症では、歩行や筋力だけを見るのではなく、認知機能の変動、幻視、自律神経症状、睡眠、家族の負担まで含めて支援することが大切です。
レビー小体型認知症のリハビリで大切なこと
■① 転倒予防と歩行練習
レビー小体型認知症では、パーキンソン症状によって歩きにくさや転倒リスクが高くなることがあります。
リハビリでは、
歩幅を保つ練習
歩き始めの練習
方向転換の練習
立ち上がり練習
段差練習
バランス練習
などを行います。
ただし、認知機能に波があるため、調子が悪い時間帯に無理に練習するのは避けましょう。
その日の状態に合わせて、安全にできる内容を選ぶことが大切です。
■② 視覚環境を整える
幻視や見間違いがある場合は、環境調整がとても重要です。
例えば、
部屋を明るくする
影ができにくいようにする
模様の強いカーテンや敷物を避ける
床に物を置かない
夜間の足元灯を使う
鏡や反射するものが不安につながる場合は位置を変える
などの工夫が役立つことがあります。
「何が見えているのか」を本人に聞きながら、不安が少なくなる環境を一緒に整えていきます。
■③ 調子のよい時間帯に活動する
レビー小体型認知症では、日中の中でも状態が変わることがあります。
リハビリや入浴、外出、家事などは、本人が比較的はっきりしている時間帯に行う方が安全です。
例えば、
午前中の方が動きやすい
食後は眠くなりやすい
夕方になると混乱しやすい
疲れると幻視が増えやすい
など、生活リズムを観察することが大切です。
本人の調子に合わせて予定を組むことで、無理なく活動を続けやすくなります。
■④ 立ちくらみ・自律神経症状への配慮
レビー小体型認知症では、自律神経症状により立ちくらみや便秘、排尿の問題が出ることがあります。
特に立ちくらみがある場合は、転倒に注意が必要です。
リハビリでは、
起き上がりはゆっくり行う
立ち上がってすぐ歩き出さない
トイレまでの動線を短く安全にする
手すりを使う
水分や食事の状態を確認する
便秘や排尿の困りごとを主治医に相談する
などを確認します。
「歩く練習」だけでなく、倒れにくい生活動作を整えることが大切です。
■⑤ 生活動作をわかりやすくする
認知機能の変動や注意力の低下があると、複雑な動作が難しくなることがあります。
例えば、
着替えに時間がかかる
入浴の手順がわかりにくい
薬を飲み忘れる
トイレの場所がわかりにくい
食事に集中できない
などです。
生活動作を支援するためには、
手順を少なくする
使う物を見える場所に置く
声かけは短くわかりやすくする
急がせない
できる部分は本人に任せる
ことが大切です。
本人が混乱しにくい環境を整えることで、生活のしやすさが変わります。
■⑥ 家族への介助方法の提案
レビー小体型認知症では、ご本人だけでなく、ご家族への支援も重要です。
家族が病気の特徴を理解していないと、
「なぜ昨日できたことが今日はできないのか」
「どうして見えないものを怖がるのか」
「歩けるはずなのに、なぜ急に動けないのか」
と戸惑いやすくなります。
リハビリでは、ご家族に対して、
幻視への声かけ
転倒しやすい場面
安全な立ち上がり介助
夜間トイレの見守り
入浴や移乗の介助
調子のよい時間帯の見つけ方
などを一緒に確認します。
家族が一人で抱え込まないように、医療・介護・リハビリの専門職と連携することが大切です。
自宅で気をつけたいポイント
■① 幻視を強く否定しない
本人に見えているものを強く否定すると、不安や怒りにつながることがあります。
「怖かったですね」
「ここに一緒にいますよ」
「少し明るくしましょう」
など、安心できる声かけを意識しましょう。
幻視が強い場合や生活に支障がある場合は、早めに主治医に相談することが大切です。
■② 夜間の転倒対策をする
夜間は、暗さ、眠気、トイレへの焦り、立ちくらみが重なりやすい時間帯です。
自宅では、
足元灯をつける
ベッドからトイレまでの動線を片づける
滑りにくい履物を使う
手すりを設置する
必要に応じてポータブルトイレを検討する
などの工夫が役立ちます。
■③ 調子の波を記録する
レビー小体型認知症では、症状に波があるため、記録が役立ちます。
例えば、
幻視が出やすい時間帯
眠気が強い時間帯
転倒しそうになった場面
便秘や立ちくらみ
睡眠中の異常行動
薬を飲んだ後の変化
食事量や水分量
などを記録しておくと、医師やリハビリ専門職に相談しやすくなります。
こんな時は専門家へ相談を
以下のような変化がある場合は、早めに相談しましょう。
実際にはいない人や虫が見える
幻視で強い不安がある
日によって会話や理解力に大きな差がある
ぼーっとしている時間が増えた
歩幅が小さくなった
足がすくむようになった
方向転換でふらつく
転倒が増えた
立ちくらみがある
便秘が強い
夜間に大声を出したり手足を動かしたりする
薬の管理が難しくなった
家族の介助負担が増えてきた
レビー小体型認知症では、症状の出方が人によって異なります。
「認知症だから仕方ない」と思わず、医師やリハビリ専門職に相談しながら、生活しやすい方法を整えていきましょう。
保険外(自費)リハビリという選択肢
レビー小体型認知症では、症状の波に合わせて、生活動作や環境を継続的に見直していくことが大切です。
保険外(自費)リハビリでは、
歩行状態の確認
転倒予防
方向転換や立ち上がり練習
幻視や混乱が起こりにくい環境調整
夜間トイレの動線確認
自律神経症状に配慮した動作指導
生活動作の手順整理
ご家族への介助方法の提案
など、一人ひとりの生活に合わせて進めやすいという特徴があります。
「最近、転びやすくなってきた」
「幻視への対応に困っている」
「歩行や生活動作を安全に続けたい」
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京都でリハビリを検討している方へ
エール神経リハビリセンター伏見では、
レビー小体型認知症による歩行障害
パーキンソン症状による転倒リスク
方向転換や立ち上がりの不安
幻視や混乱に配慮した環境調整
夜間トイレの安全対策
生活動作の工夫
ご家族への介助方法の提案
などに対して、専門的なリハビリを行っています。
「歩き方が小刻みになってきた」
「転倒が心配」
「家の中で安全に過ごせる方法を知りたい」
「本人の状態に合ったリハビリを受けたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. レビー小体型認知症とはどんな病気ですか?
A. レビー小体型認知症は、認知機能の低下に加えて、幻視、認知機能の変動、パーキンソン症状、睡眠中の異常行動などがみられることがある認知症です。もの忘れだけでなく、歩きにくさや転倒にも注意が必要です。
Q. 幻視がある時はどう対応すればよいですか?
A. まずは本人の不安を受け止めることが大切です。「そんなものはいない」と強く否定するよりも、「怖かったですね」「一緒に確認しましょう」と落ち着いた声で対応しましょう。幻視が強い場合は、主治医に相談してください。
Q. レビー小体型認知症でもリハビリは必要ですか?
A. はい。歩行障害や転倒予防、生活動作の維持、環境調整、ご家族への介助方法の提案などにリハビリが役立ちます。認知機能の波や幻視、自律神経症状に配慮しながら、その人に合った方法で行うことが大切です。
まとめ
レビー小体型認知症は、
幻視がみられることがある
認知機能に波がある
パーキンソン症状が出ることがある
歩幅が小さくなり、転倒しやすくなる
睡眠中の異常行動がみられることがある
立ちくらみや便秘など自律神経症状にも注意が必要
といった特徴があります。
リハビリでは、
👉 転倒予防と歩行練習を行う
👉 幻視や見間違いが起こりにくい環境を整える
👉 調子のよい時間帯に活動する
👉 立ちくらみや自律神経症状に配慮する
👉 生活動作をわかりやすく整える
👉 家族の介助負担を減らす方法を考える
ことが大切です。
レビー小体型認知症では、症状の波を理解し、本人の不安を減らしながら、安全に生活を続ける工夫が重要です。
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