「最近歩くのが遅くなった」
「足が前に出にくい」
「物忘れが増えた気がする」
「トイレが近くなった」
年齢のせいだと思っていた症状の中には、**正常圧水頭症(NPH:Normal Pressure Hydrocephalus)**が隠れていることがあります。
正常圧水頭症は、歩行障害・認知機能低下・排尿障害を特徴とする病気です。
高齢者に多くみられますが、適切な治療によって症状の改善が期待できる場合があります。
この記事では、正常圧水頭症の特徴や症状、生活で困りやすいこと、リハビリの考え方についてわかりやすく解説します。
正常圧水頭症(NPH)とは?
正常圧水頭症(NPH)とは、脳や脊髄の周囲を流れる「脳脊髄液」がうまく吸収されず、脳の中の脳室が拡大する病気です。
脳室が広がることで脳が圧迫され、
- 歩きにくくなる
- 物忘れが増える
- 尿もれが起こる
といった症状が現れます。
脳脊髄液の圧力が大きく上がらないため、「正常圧水頭症」と呼ばれています。
高齢者では、
- 加齢による衰え
- パーキンソン病
- アルツハイマー型認知症
などと間違われることもあります。
しかし、正常圧水頭症は治療によって改善が期待できる病気であり、早期発見が重要です。
正常圧水頭症で起こりやすい症状
■① 歩きにくくなる
正常圧水頭症で最も特徴的なのが歩行障害です。
特に、
- 足が前に出にくい
- 小股歩行になる
- 歩き始めが難しい
- 方向転換でふらつく
- すり足になる
といった症状がみられます。
「床に足が貼り付いたような感じ」
と表現される方もいます。
進行すると転倒リスクも高くなります。
■② 物忘れや意欲低下
認知機能の低下もみられます。
ただしアルツハイマー病とは少し特徴が異なります。
例えば、
- 考えるのに時間がかかる
- 反応が遅くなる
- 集中力が低下する
- 意欲が低下する
などが多くみられます。
家族から
「最近ぼーっとしていることが増えた」
と指摘されることもあります。
■③ 排尿障害
正常圧水頭症では排尿に関する症状もよくみられます。
例えば、
- 尿が近い
- 急にトイレに行きたくなる
- 尿もれ
- 夜間頻尿
などです。
歩行障害と排尿障害が組み合わさることで、外出への不安が強くなることがあります。
■④ 転倒しやすくなる
歩幅が小さくなり、方向転換が苦手になるため転倒リスクが高くなります。
特に、
- 段差
- 階段
- 狭い場所
- 夜間トイレ
などで転びやすくなります。
骨折や活動量低下につながるため注意が必要です。

生活で困りやすいこと
■① 外出が減る
歩きにくさや転倒への不安から外出機会が減りやすくなります。
買い物や散歩が負担になり、活動量低下につながることがあります。
■② トイレの不安が増える
頻尿や尿意切迫感があると、
- 外出先のトイレ
- 夜間の移動
- 長時間の移動
が不安になります。
■③ 家事が大変になる
歩行障害や認知機能低下により、
- 掃除
- 洗濯
- 料理
などが負担になることがあります。
■④ 家族の介助が増える
転倒予防や見守りが必要になり、家族の負担が大きくなることがあります。
治療とリハビリの考え方
正常圧水頭症では、脳脊髄液の流れを改善するために、
シャント手術
が行われることがあります。
シャントとは、余分な脳脊髄液をお腹などへ流すための管です。
適切な方では、
- 歩行
- 排尿
- 認知機能
の改善が期待できます。
ただし手術だけで全てが改善するわけではありません。
長期間続いた歩行障害や筋力低下に対しては、リハビリが重要になります。

正常圧水頭症のリハビリで大切なこと
■① 歩行練習
正常圧水頭症では歩幅が小さくなりやすいため、
- 歩幅を広げる練習
- リズム練習
- 歩き始めの練習
などを行います。
■② 方向転換の練習
方向転換時に転倒しやすいため、
- 振り向き
- 回転
- 狭い場所での移動
を安全に行えるよう練習します。
■③ バランス練習
転倒予防のため、
- 立位保持
- 重心移動
- 段差昇降
などを行います。
■④ 二重課題練習
正常圧水頭症では、
「歩きながら考える」
ことが苦手になる場合があります。
そのため、
- 会話しながら歩く
- 数を数えながら歩く
などの練習を行うことがあります。
■⑤ トイレ動作の練習
排尿障害による生活への影響を減らすため、
- トイレまでの移動
- 夜間動作
- 方向転換
などを確認します。
■⑥ 環境調整
安全な生活を続けるために、
- 手すり
- 照明
- 段差解消
- 動線整理
を行うことが重要です。
京都でリハビリを検討している方へ
エール神経リハビリセンター伏見では、
- 神経難病
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- 歩行障害
に対する保険外リハビリを提供しています。
正常圧水頭症の方に対しても、
- 歩行能力向上
- 転倒予防
- バランス改善
- 外出支援
を目的としたリハビリを行っています。
「最近歩きにくくなった」
「手術後も不安が残る」
という方はお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 正常圧水頭症は認知症ですか?
正常圧水頭症は認知機能低下を伴いますが、アルツハイマー病とは異なる病気です。
Q. 正常圧水頭症は治りますか?
シャント手術によって症状改善が期待できる場合があります。
Q. 手術後もリハビリは必要ですか?
はい。歩行障害や転倒予防のためにリハビリが重要です。
まとめ
正常圧水頭症(NPH)は、
👉 歩きにくさ
👉 物忘れ
👉 排尿障害
を特徴とする病気です。
早期発見と適切な治療によって改善が期待できます。
また、
👉 歩行練習
👉 バランス練習
👉 転倒予防
👉 環境調整
などのリハビリを組み合わせることで、安心して生活を続けやすくなります。
「年齢のせいかな」と思う症状の中に正常圧水頭症が隠れていることもあります。
気になる症状がある方は、早めに専門医へ相談しましょう。
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