「手足のしびれが続いている」
「片目が見えにくくなった」
「歩くとふらつくようになった」
「暑い日や入浴後に症状が強くなる」
このような症状がある場合、**多発性硬化症(MS)**という病気が関係していることがあります。
多発性硬化症は、脳や脊髄、視神経などの中枢神経に炎症が起こり、さまざまな神経症状が出る病気です。
症状は一人ひとり異なり、よくなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。
この記事では、多発性硬化症(MS)の特徴や生活で困りやすいこと、リハビリで大切なポイントについてわかりやすく解説します。
多発性硬化症(MS)とは?
多発性硬化症は、英語で Multiple Sclerosis といい、略して MS と呼ばれます。
MSは、脳、脊髄、視神経などの中枢神経に炎症が起こり、神経を包んでいる「髄鞘」という部分が傷つくことで、神経の情報がうまく伝わりにくくなる病気です。
神経の情報が伝わりにくくなると、
見えにくい
しびれる
力が入りにくい
ふらつく
疲れやすい
トイレが近い
など、病変の場所によってさまざまな症状が出ます。
多発性硬化症では、症状が急に出て、その後少し改善する「再発と寛解」を繰り返すことがあります。
また、経過によっては、少しずつ歩行や生活動作に影響が出る場合もあります。
同じ中枢神経の病気に、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)がありますが、治療方針が異なることがあるため、専門医による正確な診断が大切です。
多発性硬化症で起こりやすい症状
■① 視力障害・ものが二重に見える
MSでは、視神経や目の動きに関係する神経に炎症が起こることで、目の症状が出ることがあります。
例えば、
片目が見えにくい
視界がぼやける
目を動かすと痛い
ものが二重に見える
視野の一部が見えにくい
といった症状です。
視力の変化は日常生活への影響が大きく、歩行や運転、読書、スマートフォン操作にも関係します。
急な見えにくさや複視がある場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
■② しびれ・感覚の変化
MSでは、手足や体幹にしびれや感覚の変化が出ることがあります。
例えば、
手足がジンジンする
ピリピリする
感覚が鈍い
足裏の感覚がわかりにくい
熱い・冷たいがわかりにくい
体の一部に違和感がある
といった症状です。
感覚がわかりにくいと、歩く時に足元が不安定になったり、物を持つ力加減が難しくなったりすることがあります。
しびれがあるからといって、必ずしも強い運動を避ける必要はありませんが、転倒ややけど、けがには注意が必要です。
■③ 歩きにくさ・ふらつき
MSでは、筋力低下、感覚障害、バランスの低下、小脳失調などによって歩きにくさが出ることがあります。
具体的には、
足に力が入りにくい
ふらつく
歩幅が安定しない
まっすぐ歩きにくい
つまずきやすい
長く歩くと疲れる
階段が不安になる
といった状態です。
特に、疲労が強い時や暑い日、入浴後などに歩きにくさが強くなることがあります。
転倒を防ぐためには、歩行状態を確認し、その日の体調に合わせて活動量を調整することが大切です。
■④ 疲労・暑さによる症状の悪化・排尿障害
MSでは、疲労が生活に大きく影響することがあります。
「少し動いただけでぐったりする」
「午前中は動けるが、午後になると急に疲れる」
「外出後に数日疲れが残る」
といった訴えがみられることがあります。
また、MSでは体温が上がることで、一時的に神経症状が悪化することがあります。
例えば、
暑い日に歩きにくくなる
入浴後にしびれが強くなる
発熱時にふらつきが増える
運動後に症状が出やすい
といった状態です。
そのほか、
尿が近い
急にトイレに行きたくなる
尿が出にくい
残尿感がある
便秘がある
など、排尿・排便に関する困りごとが出ることもあります。
疲労や排尿の問題は生活の質に大きく関係するため、我慢せず相談することが大切です。

生活で困りやすいこと
■① 外出や移動が不安になる
歩きにくさ、ふらつき、しびれ、疲労があると、外出が負担になりやすくなります。
特に、
駅やバス停までの移動
長い距離の歩行
階段や坂道
人混み
暑い日の外出
外出先のトイレ
などで不安を感じることがあります。
外出を続けるためには、無理に歩き続けるのではなく、休憩場所を決める、涼しい時間帯を選ぶ、杖や歩行補助具を使うなどの工夫が役立ちます。
■② 仕事や家事で疲労がたまりやすい
MSでは、見た目ではわかりにくい疲労が問題になることがあります。
仕事や家事では、
長時間の立ち仕事
通勤
パソコン作業
買い物
掃除
料理
育児や介護
などが負担になることがあります。
「できるから続ける」だけでは、疲労が蓄積して翌日以降の生活に影響する場合があります。
作業を小分けにする、座って行う、休憩を先に予定に入れる、暑い時間帯を避けるなど、疲労をためすぎない工夫が大切です。
■③ 暑さや入浴で症状が出やすい
MSでは、体温が上がることで症状が一時的に強くなることがあります。
そのため、
長風呂
熱いお風呂
夏場の外出
暑い室内
発熱
運動後
などに注意が必要です。
症状が一時的に強くなっても、体温が下がると戻ることがありますが、不安がある場合や症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。
生活の中では、冷房、冷却グッズ、ぬるめの入浴、こまめな水分補給なども役立ちます。
■④ トイレの不安が増える
排尿障害があると、外出や睡眠に影響しやすくなります。
例えば、
外出先のトイレが気になる
急にトイレに行きたくなる
夜間トイレが増える
長時間の移動が不安
トイレまで急いで転びそうになる
といった困りごとです。
尿の問題は相談しにくいこともありますが、生活のしやすさに大きく関係します。
泌尿器科や主治医、リハビリ専門職と相談しながら、トイレ動作や動線も含めて整えていくことが大切です。
治療とリハビリの考え方
MSでは、医療機関での診断と治療がとても重要です。
治療は大きく分けて、
再発時の治療
再発や進行を予防する治療
症状に対する治療
リハビリテーション
があります。
再発時には、炎症を抑える治療が行われることがあります。
また、再発や進行を抑えるための治療薬が使われることもあります。
しびれ、痛み、排尿障害、疲労、筋肉のこわばりなどに対しては、それぞれの症状に応じた治療や生活上の工夫が必要です。
リハビリでは、病気そのものを治すというよりも、
歩きやすさを保つ
転倒を防ぐ
疲労を管理する
体力を落としすぎない
暑さや体温上昇に配慮する
生活動作を続けやすくする
ことを目的に行います。
大切なのは、症状がある時に無理をして頑張ることではなく、その日の体調に合わせて安全に活動を続けることです。
多発性硬化症のリハビリで大切なこと
■① 疲労管理を行う
MSでは、疲労管理がとても大切です。
リハビリでは、
疲れやすい時間帯
疲れが出やすい動作
休憩のタイミング
外出後の疲れ方
仕事や家事の負担
を一緒に確認します。
「疲れてから休む」のではなく、「疲れすぎる前に休む」ことが大切です。
活動と休息のバランスを整えることで、生活全体の活動量を保ちやすくなります。
■② 暑さ・体温上昇に配慮する
MSでは、暑さや体温上昇によって症状が一時的に強くなることがあります。
そのため、リハビリでは、
涼しい環境で行う
休憩をこまめに入れる
水分補給を行う
運動後に体を冷やす
熱い入浴を避ける
夏場の外出時間を調整する
などを意識します。
運動そのものが悪いわけではありません。
大切なのは、症状が強くならない範囲で、環境と運動量を調整することです。
■③ 歩行・バランス練習
歩きにくさやふらつきがある場合は、歩行やバランスの練習を行います。
例えば、
立ち上がり
立位保持
重心移動
歩幅の調整
方向転換
段差練習
杖や装具の検討
などです。
MSでは、その日の体調によって歩きやすさが変わることがあります。
調子の良い時と悪い時の差を確認しながら、安全に歩ける方法を考えることが大切です。
■④ 筋力・持久力を無理なく保つ
MSでは、活動量が減ることで筋力や体力が落ちやすくなります。
一方で、強く頑張りすぎると疲労が残りやすい場合があります。
そのため、
軽い筋力練習
有酸素運動
ストレッチ
立ち座り練習
生活動作に近い運動
を、無理のない範囲で行います。
翌日に疲れを残さないこと、症状が強くならないことを確認しながら継続することが大切です。
■⑤ しびれ・感覚障害に合わせた安全対策
しびれや感覚障害がある場合は、転倒やけがに注意が必要です。
リハビリでは、
足裏の感覚
つまずきやすさ
靴の選び方
段差の確認
手すりの使用
やけどやけがの予防
などを確認します。
感覚がわかりにくい場合は、視覚で確認する、明るい環境にする、床の物を片づけるなどの工夫も役立ちます。
■⑥ 排尿・生活動作への対応
排尿障害がある場合は、トイレまでの移動や夜間動作も含めて考える必要があります。
リハビリでは、
トイレまでの動線
夜間の足元灯
立ち座りの安全性
方向転換
手すりの位置
外出時のトイレ計画
などを確認します。
また、仕事や家事、外出などの生活動作についても、その人の症状や疲労に合わせて方法を調整します。

自宅で気をつけたいポイント
■① 暑さ対策をする
MSでは、暑さや入浴後に症状が強くなることがあります。
自宅では、
室温を調整する
ぬるめのお風呂にする
長風呂を避ける
運動後は体を冷やす
夏場は外出時間を工夫する
などを意識しましょう。
■② 疲労を記録する
疲労の出方を記録すると、自分に合った活動量がわかりやすくなります。
例えば、
疲れやすい時間帯
疲れが強く出た活動
休むと回復するか
翌日に疲れが残るか
入浴や暑さで症状が変わるか
などを記録しておくと、医療機関やリハビリで相談しやすくなります。
■③ 転倒しやすい場所を見直す
しびれ、ふらつき、筋力低下がある場合は、自宅内の転倒予防が大切です。
特に、
玄関
階段
トイレ
浴室
夜間の移動経路
カーペットの端
電気コード
などを確認しましょう。
必要に応じて、手すり、足元灯、滑りにくい靴、段差解消などを検討します。
こんな時は専門家へ相談を
以下のような変化がある場合は、早めに相談しましょう。
片目が見えにくい
ものが二重に見える
手足のしびれが続く
足に力が入りにくい
ふらつきが強くなった
転倒が増えた
暑さや入浴後に症状が強くなる
疲労が強く、生活に支障がある
尿が近い
急にトイレに行きたくなる
残尿感がある
仕事や家事が続けにくくなった
外出が不安になってきた
MSは、症状が一人ひとり異なる病気です。
気になる変化がある場合は、自己判断せず、医師やリハビリ専門職に相談しましょう。
京都でリハビリを検討している方へ
エール神経リハビリセンター伏見では、
多発性硬化症による歩行障害
しびれや感覚障害に伴う転倒リスク
疲労管理
バランス低下
暑さによる症状変化への配慮
排尿に関する生活動作の不安
家事や仕事を続けるための動作練習
自宅環境の調整
などに対して、専門的なリハビリを行っています。
「自分に合った運動量を知りたい」
「歩行や外出を続けたい」
「疲労やしびれに合わせたリハビリを受けたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 多発性硬化症(MS)とはどんな病気ですか?
A. 多発性硬化症は、脳や脊髄、視神経などの中枢神経に炎症が起こり、視力障害、しびれ、歩行障害、疲労、排尿障害などがみられる病気です。症状は人によって異なります。
Q. MSでは運動してもよいですか?
A. 運動は大切ですが、疲労や暑さによって症状が強くなる場合があります。無理をせず、涼しい環境で、休憩を入れながら行うことが大切です。運動内容は主治医やリハビリ専門職に相談しましょう。
Q. MSでもリハビリは必要ですか?
A. はい。リハビリは、歩行やバランスを保つ、転倒を防ぐ、疲労を管理する、生活動作を続けやすくするために役立ちます。その日の体調に合わせて無理なく行うことが大切です。
まとめ
多発性硬化症(MS)は、
視力障害や複視がみられることがある
手足のしびれや感覚障害が出ることがある
歩きにくさやふらつきがみられることがある
疲労が生活に影響しやすい
暑さや体温上昇で症状が強くなることがある
排尿障害がみられることがある
といった特徴がある病気です。
リハビリでは、
👉 疲労管理を行う
👉 暑さや体温上昇に配慮する
👉 歩行・バランス練習を行う
👉 筋力や持久力を無理なく保つ
👉 しびれや感覚障害に合わせて安全対策を行う
👉 排尿や生活動作の困りごとに対応する
ことが大切です。
MSでは、症状の波を理解し、その日の体調に合わせながら生活を続ける工夫が重要です。
京都で多発性硬化症のリハビリを検討されている方は、エール神経リハビリセンター伏見の特別体験をご活用ください。
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電話:075-585-3339(10:00-18:00/日祝休)
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