パーキンソン病でも“できること”を増やす
今日から始めるリハビリ&生活の工夫
こんにちは。
京都市伏見区の自費リハビリ専門施設「エール神経リハビリセンター」で理学療法士として働いているセンター長の米田です。
このコラムは、パーキンソン病と診断されたご本人と、ご家族の方に向けて書いています。
「この先どうなるんだろう…」という不安を少しでも軽くし、「今できること」「これからできるようになること」を一緒に見つけていくためのヒントになればうれしいです。
1.「パーキンソン病と診断された…これからどうなるの?」
1-1.パーキンソン病の代表的な症状
パーキンソン病と聞くと、多くの方がまず「手のふるえ」をイメージされます。
実際には、次のような症状が組み合わさって出ることが多い病気です。
手足やあごなどのふるえ(振戦)
動きがゆっくりになる・動き出しにくい(寡動・無動)
歩幅が小さくなる、小刻み歩行
体が前かがみになりやすい
姿勢を保つのが難しく、バランスを崩しやすい
こうした変化は、少しずつ進むことが多く、「気づいたら歩きにくくなっていた」という方も少なくありません。
1-2.よくある不安
診断を受けた直後や、症状が目立ってきた頃には、こんな不安の声をよくお聞きします。
「このまま歩けなくなるのでは…」
「トイレやお風呂も全部家族の手を借りるようになってしまうのかな」
「仕事や趣味はもう続けられないの?」
「家族に迷惑ばかりかけてしまうのでは…」
特に京都・伏見のように坂や段差、狭い道が多い地域では、
「外出が怖くなって家にこもりがちになってしまった」という方も多くおられます。
1-3.まず知っておきたい大事なポイント
ここで、最初にお伝えしたい大切なことがあります。
パーキンソン病は進行性の病気ではありますが、
薬・リハビリ・生活の工夫によって、
「できることを維持・向上させること」は十分に可能です。
「もう歳だから」「病気だから」と全部あきらめてしまう必要はありません。
むしろ、早い段階から自分に合ったリハビリや運動に取り組むことで、
「その先の何年かの過ごし方」が大きく変わってきます。
2.病院のリハビリだけでは足りない?
パーキンソン病と「長いお付き合い」
2-1.パーキンソン病が「長期戦」になる理由
パーキンソン病は、数週間・数ヶ月で終わる病気ではなく、
何年・十年以上と付き合っていく「慢性疾患」です。
そのため、
一時的に頑張る
入院中だけリハビリをする
という「短期決戦型」ではなく、
無理なく長く続けられるリハビリ・運動・生活の工夫
を組み合わせていくことが、とても大切になります。
2-2.入院・外来リハビリの限界
病院やクリニックでのリハビリは、とても重要な役割を担っています。
一方で、こんな声もよくお聞きします。
「週1回のリハビリだけでは、正直足りない気がする」
「家ではどう動いたらいいか分からない」
「退院したら一気に運動量が減ってしまった」
通院リハビリは、時間や回数に制限があることも多く、
日々の生活全体をカバーするにはどうしても限界があるのが現実です。
2-3.ご本人・家族・専門職の「チーム戦」に
そこで必要になってくるのが、
病院・クリニックでの医療
ご自宅や地域での運動・リハビリ
ご本人・ご家族の工夫
を組み合わせた「チーム戦」の考え方です。
京都・伏見エリアでも、
病院・クリニック
デイサービス・デイケア
自費リハビリ施設
など、いくつかの資源があります。
どれかひとつに頼りきるのではなく、
「自分たちの生活」に合った組み合わせを見つけることが
パーキンソン病との長いお付き合いには欠かせません。
3.「動きにくさ」の正体を知ると、リハビリのやり方が見えてくる
3-1.パーキンソン病の運動症状
パーキンソン病の運動症状には、次のようなものがあります。
動きがゆっくりになる(寡動)
動き始めに時間がかかる(無動)
歩き出しにくい・足がすくむ
歩幅が小さくなり、すり足・小刻み歩行になる
前かがみ姿勢になりやすい
バランスを崩しやすく、転びやすくなる
これらは、脳の中の「動きをコントロールする仕組み」に
うまく信号が届きにくくなることで起こると考えられています。
3-2.非運動症状も見逃せない
実は、パーキンソン病では運動症状だけでなく、
次のような「非運動症状」もよく見られます。
便秘
睡眠の質の低下(途中で目が覚める、夢を見て暴れてしまう など)
気分の落ち込み・不安
意欲の低下
においを感じにくくなる
これらは周りの人からは気づかれにくく、
「気のせい」「性格の問題」と思われてしまうこともありますが、
パーキンソン病に伴う大切な症状のひとつです。
3-3.症状ごとに考えるとリハビリが分かりやすい
「パーキンソン病」とひとまとめに考えると、
どうしても漠然とした不安が大きくなりがちです。
そこでおすすめなのが、
「歩きにくさ」「転びやすさ」「手の使いにくさ」など、
困っていることをテーマごとに分けて考えること。
そうすることで、
どんなリハビリが必要か
どんな生活の工夫ができそうか
がぐっと見えやすくなります。
4.今日からできる!
パーキンソン病リハビリの3つの柱
ここからは、当センターで大切にしている
「3つの柱」をご紹介します。
①歩行リハビリ
②バランス&体幹
③柔軟性&姿勢
4-1.【歩行リハビリ】安全に「もう一歩」出せるように
パーキンソン病の方のお悩みで特に多いのが「歩行」です。
歩き始めが出にくい
方向転換でふらつく
狭い場所で足がすくむ
こうした場面では、
リズムや合図をうまく使った歩行練習が効果的なことがあります。
例:
「1、2、1、2」と声を出しながら歩く
メトロノームアプリや音楽を使ってリズムに合わせて歩く
「右足を前に出す」「次は左足」など、動作を言葉にしながら歩く
※安全のため、必ず手すりや介助者がいる状態から始めましょう。
4-2.【バランス&体幹】転倒予防のための土台づくり
転倒は、骨折や入院につながる大きなリスクです。
その予防には、「体幹」と「バランス」を鍛えることが重要になります。
例えば、こんな練習があります。
イスからの立ち座りをゆっくり繰り返す
手すりやテーブルを使ってもOK
「前かがみ → 足に体重をのせる → 立ち上がる」を意識
立った状態で、左右にゆっくり体重を移動する
キッチンの台などにつかまりながら行う
これらは、京都・伏見の住宅でもスペースを大きく取らずにできる練習です。
4-3.【柔軟性&姿勢】こわばりを減らして動きやすい身体へ
パーキンソン病では、筋肉のこわばりや前かがみ姿勢のために
さらに動きにくさが増してしまうことがあります。
そこで大切になるのが、
**朝や寝る前の「ちょっとしたストレッチ習慣」**です。
首・肩をゆっくり回す
背筋を伸ばして、胸を開く意識を持つ
イスに座ったまま、足首を上下に動かす
「きつい運動」ではなく、
「気持ちいいな」と感じるくらいの伸びを目安に続けてみてください。
5.すくみ足・小刻み歩行に悩んでいる方へ
5-1.すくみ足が起こりやすい場面
パーキンソン病の方がよくおっしゃるのが、
「歩いている途中で、急に足が出なくなる」
いわゆる「すくみ足」です。特に
ドアの出入り口
狭い廊下
エレベーターの乗り降り
お店のレジ前
人混みや横断歩道
こうした「狭い・急がなきゃいけない」場面で起こりやすくなります。
5-2.すくんだときの対処法
すくみ足が出たとき、無理に足を前に出そうとすると
かえって転倒の危険が高まります。
そんなときは、次のような対処法を試してみてください。
一歩「後ろ」に下がってから、歩き出しなおす
つま先を少し高く持ち上げることを意識する
床に「線」があるとイメージし、その線をまたぐように足を出す
「右、左、右、左」と声に出しながら足を出す
5-3.ご自宅でできる「予行演習」が大切
すくみ足は、実際に困っている場面で練習することがとても大切です。
自宅の廊下や玄関
よく使うお店までの道
トイレやお風呂の出入り口
これらの場所で、
専門職と一緒に「どう歩くと安全か」を確認し、繰り返し練習していくと、
本番でも落ち着いて対応しやすくなります。
6.ご家族に知っておいてほしい「関わり方」のコツ
6-1.「つい全部手伝ってしまう」前に
ご家族の方は、「転んだら危ないから」「時間がないから」と、
つい何でも手を出してしまいがちです。
もちろん、安全の確保は最優先です。
ただ、
「見守れば自分でできること」まで先回りしてしまうと、
ご本人の自立する力が少しずつ奪われてしまうこともあります。
転ばないように支えつつ、「自分でできる部分」を残す
できたことをしっかり認めてあげる
このバランスがとても大切です。
6-2.声かけのポイント
パーキンソン病の方への声かけでは、
急かさない
分かりやすく、具体的に
を意識してみてください。
悪い例:
「早くして」
「ちゃんとして」
良い例:
「まず、右足を前に出してみましょう」
「イスの前までゆっくり歩いてみましょう」
といった行動を具体的に伝える声かけが効果的です。
6-3.介助者の心のケアも大切
介護をするご家族の負担は、身体的にも精神的にも大きいものです。
「つい、きつい言い方をしてしまった」
「自分ばかり頑張っている気がする」
そう感じてしまうのは、決して珍しいことではありません。
京都・伏見周辺でも、家族会や相談窓口、専門職に話を聞いてもらえる場があります。
ご家族自身が一人で抱え込まないことも、長く介護を続けるうえでとても大切です。
7.よくあるQ&A(薬、運動、日常生活)
Q1.薬を飲むときと飲まないときで、動きが全然違います。運動はいつするのがいいですか?
→ 一般的には、**薬がよく効いている時間帯(オンの時間)**に合わせて
リハビリや運動を行うと、安全かつ効果的なことが多いです。
ただし、お薬の調整は主治医の先生の領域ですので、
「どの時間帯に一番動きやすいか」をメモしておき、
診察時に相談されることをおすすめします。
Q2.運動して疲れたら、かえって悪化しませんか?
→ 「息が上がるほど無理をする運動」はもちろん注意が必要ですが、
自分に合った強さで、こまめに体を動かすことは、
パーキンソン病の進行を緩やかにしたり、症状を和らげることにもつながります。
不安があれば、「どのくらい動いていいか」を
理学療法士など専門職に相談してから始めると安心です。
Q3.仕事や家事はどこまで続けていいですか?
→ 仕事や家事、趣味は、「生活のリハビリ」そのものです。
症状や疲れ具合に応じて、
時間を短くする
頻度を調整する
一部を家族に手伝ってもらう
などの工夫をしながら、無理なく続けることを目標にしましょう。
Q4.デイサービスや自費リハビリはどう使い分ければいいですか?
→ デイサービスやデイケアは、
入浴や食事、レクリエーション
軽い体操
など、生活全体の支えになるサービスです。
一方で自費リハビリは、
「歩きをもっと良くしたい」
「すくみ足をなんとかしたい」
「この動作をできるようになりたい」
といった個別の目標に、マンツーマンでじっくり取り組みたいときに
向いていることが多いです。
8.京都・伏見でパーキンソン病のリハビリをお考えの方へ
8-1.当センターで多いご相談内容
エール神経リハビリセンター伏見には、
京都市伏見区を中心に、パーキンソン病の方が多く通われています。
ご相談で特に多いのは、
歩行障害(歩きにくさ・すくみ足・小刻み歩行)
転倒への不安
玄関の段差や階段が怖い
立ち座りや着替えの動作がしんどくなってきた
家族の介助負担を軽くしたい
といったお悩みです。
8-2.エール神経リハビリセンター伏見の取り組み
当センターでは、
パーキンソン病のリハビリ経験が豊富な理学療法士が、
ご本人とじっくりお話を伺いながら評価「どうなりたいか」「何をできるようになりたいか」を一緒に整理し、
具体的な目標を設定マンツーマンの個別リハビリで、歩行・姿勢・体幹・すくみ足などにアプローチ
ご自宅でできる運動や、生活の工夫も分かりやすくお伝え
といった流れで、「生活の中で実感できる変化」を目指しています
京都のエール神経リハビリセンターでは、病気によって今後の生活が不安なあなたに寄り添います。オーダーメイドで適格な運動プランの提案や訓練を提供!
京都での自費リハビリが、あなたの未来の一歩になります。
エール神経リハビリセンターの動画はこちら↓↓↓
経験豊富な理学療法士・作業療法士がチームを組みご利用者様の思いを実現できるよう最善を尽くします。ご興味があれば体験に来ていただけると嬉しいです。
お問い合わせ・ご予約
現在、エール神経リハビリセンター伏見ではリハビリ体験を実施しております。
リハビリ体験はこちら↓
特別リハビリ体験のご案内 | エール神経リハビリセンター 伏見 (aile-reha.com)
LINEでもお気軽にお問合せ下さい↓

https://page.line.me/993lksul?openQrModal=true
9.おわりに|「あきらめない」ために、まず相談してみてください
パーキンソン病と向き合う毎日は、
ご本人にとっても、ご家族にとっても決して楽なものではありません。
それでも、
「もう無理だ」とあきらめてしまう前に、
「今できること」「これからできるようになりたいこと」を
一緒に考えてくれる人や場所がある
ことを、どうか覚えておいていただきたいと思います。
京都・伏見でパーキンソン病のリハビリにお悩みの方は、
一人で抱え込まずに、どうぞお気軽にご相談ください。
私たちも、同じチームの一員として、
あなたの「できること」を増やすお手伝いができればうれしいです。







