【HAM(HTLV-1関連脊髄症)とは?】歩きにくさ・足のつっぱり・排尿障害とリハビリの考え方を解説

「歩く時に足がつっぱる」

「少しずつ歩きにくくなってきた」

「頻尿や残尿感など、排尿の困りごとがある」

このような症状が続く場合、**HAM(HTLV-1関連脊髄症)**という病気が関係していることがあります。

HAMは、HTLV-1というウイルスが関係して起こる脊髄の病気です。主に足のつっぱりや歩行障害、排尿・排便の障害などがみられることがあります。HAMはHTLV-1感染者の一部に発症し、進行性の両下肢麻痺や排尿排便障害を示す疾患と説明されています。

この記事では、HAMの特徴や生活で困りやすいこと、リハビリで大切なポイントについてわかりやすく解説します。


HAM(HTLV-1関連脊髄症)とは?

HAMは、正式にはHTLV-1関連脊髄症といいます。

HTLV-1に感染したリンパ球が脊髄で慢性的な炎症を起こすことで、脊髄が障害され、足のつっぱりや歩きにくさ、しびれ、排尿障害などが出ることがあります。

特に特徴的なのは、

  • 足がつっぱる
  • 歩きにくい
  • 足が出しにくい
  • 転びやすい
  • 頻尿や残尿感がある
  • 便秘がある
  • しびれや痛みがある

といった症状です。

HAMは急に大きく悪化するというより、少しずつ歩きにくさや生活の困りごとが出てくることがある病気です。


HAMで起こりやすい症状

■① 足がつっぱる・歩きにくい

HAMでは、足の筋肉がこわばりやすくなることがあります。

これは「痙縮」と呼ばれる状態で、

  • 足が突っ張る
  • 歩幅が小さくなる
  • 足が前に出にくい
  • つま先が引っかかる
  • 階段が上がりにくい
  • 長く歩くと疲れる

といった歩きにくさにつながります。


■② 転倒しやすくなる

足のつっぱりや筋力低下、バランスの取りにくさがあると、転倒リスクが高くなります。

特に注意したい場面は、

  • 段差
  • 階段
  • 方向転換
  • 狭い場所
  • 夜間のトイレ移動
  • 雨の日や暗い場所

です。

足が思ったように出ないことで、つまずいたり、バランスを崩したりすることがあります。


■③ 排尿障害・便秘が出ることがある

HAMでは、排尿や排便に関する症状がみられることがあります。

例えば、

  • 尿が近い
  • 急にトイレに行きたくなる
  • 尿が出にくい
  • 残尿感がある
  • 夜間トイレが増える
  • 便秘がある

などです。

HAMでは膀胱直腸障害をしばしば伴い、初発症状になることもあります。

排尿障害は生活の不安につながりやすいため、我慢せず医療機関に相談することが大切です。


■④ しびれ・痛み・感覚の変化

HAMでは、足を中心にしびれや痛みが出ることがあります。

  • 足がジンジンする
  • ピリピリする
  • 感覚が鈍い
  • 足裏がわかりにくい
  • 痛みで歩きにくい

などの症状です。

感覚障害は軽度のこともありますが、歩行や転倒不安につながる場合があります。

HAMに起こりやすい症状


生活で困りやすいこと

■① 外出が不安になる

歩きにくさや足のつっぱりがあると、外出が負担になりやすくなります。

  • 買い物
  • 通院
  • 駅やバス停までの移動
  • 長距離歩行
  • 階段や坂道

などで不安を感じることがあります。

外出が減ると、体力や筋力が落ちやすくなるため、無理のない範囲で活動量を保つことが大切です。


■② トイレの不安が増える

頻尿や尿意切迫感があると、

  • 外出先のトイレが気になる
  • 夜間に何度も起きる
  • 急いでトイレへ行って転びそうになる
  • 長時間の移動が不安

といった困りごとにつながります。

夜間トイレでは、足元灯や手すりなどの環境調整も重要です。


■③ 疲れやすくなる

足がつっぱった状態で歩くと、通常よりも体力を使いやすくなります。

そのため、

  • 少し歩くだけで疲れる
  • 外出後にぐったりする
  • 家事に時間がかかる
  • 休憩が増える

ことがあります。

「動かない」ではなく、疲れすぎない範囲で動くことが大切です。


治療とリハビリの考え方

HAMでは、医療機関での診断と治療が大切です。

治療としては、病状や炎症の程度に応じて、ステロイド治療やインターフェロンα治療などが検討されることがあります日。

リハビリでは、病気そのものの治療とは別に、

  • 歩きやすさを保つ
  • 転倒を防ぐ
  • 足のつっぱりに対応する
  • 生活動作を続けやすくする
  • 疲れにくい動き方を考える

ことが目的になります。


HAMのリハビリで大切なこと

■① 足のつっぱりに対するストレッチ

HAMでは、足のつっぱりが歩きにくさにつながることがあります。

リハビリでは、

  • ふくらはぎ
  • 太もも裏
  • 股関節まわり
  • 足首

などを無理のない範囲で動かし、筋肉や関節の硬さを予防します。


■② 歩行・バランス練習

歩きにくさがある場合は、状態に合わせて歩行練習を行います。

例えば、

  • 立ち上がり
  • 立位保持
  • 歩行練習
  • 方向転換
  • 段差練習
  • 階段練習

などです。

杖や歩行器、装具などを使うことで、安全に歩きやすくなる場合もあります。


■③ 転倒予防

転倒を防ぐためには、体の練習だけでなく、環境調整も大切です。

  • 床に物を置かない
  • コードをまとめる
  • 段差を確認する
  • 夜間は足元を明るくする
  • 滑りにくい靴を選ぶ
  • 必要に応じて手すりを使う

などを意識しましょう。


■④ 疲れすぎない運動量にする

HAMでは、無理をしすぎると疲労が強くなることがあります。

そのため、

  • 短時間から始める
  • 休憩を入れる
  • 長距離を無理しない
  • 体調が悪い日は無理しない
  • 疲れを翌日に残しすぎない

ことが大切です。


■⑤ 排尿の困りごとを相談する

頻尿や残尿感、夜間トイレなどは、生活の質に大きく影響します。

「年齢のせい」と決めつけず、泌尿器科や主治医に相談しましょう。

排尿の問題がある場合は、トイレまでの動線や夜間の安全対策も一緒に考えることが大切です。

リハビリで大切なこと


自宅で気をつけたいポイント

■① 夜間トイレの環境を整える

夜間は、眠気や暗さで転倒しやすくなります。

  • 足元灯を使う
  • トイレまでの通路を片づける
  • 滑りにくい履物にする
  • 必要に応じて手すりを設置する

などの工夫がおすすめです。


■② 足のつっぱりを放置しない

足のこわばりが強くなると、歩きにくさや転倒につながります。

自己流で強く伸ばしすぎるのではなく、リハビリ専門職に相談しながら、状態に合った方法で行いましょう。


■③ 外出は無理なく計画する

外出時は、

  • トイレの場所を確認する
  • 休憩場所を決めておく
  • 長距離を無理しない
  • 杖や歩行器を検討する
  • 天気や時間帯を選ぶ

など、事前に準備すると安心です。


こんな時は専門家へ相談を

以下のような変化がある場合は、早めに相談しましょう。

  • 歩きにくさが進んできた
  • 足のつっぱりが強くなった
  • 転倒が増えた
  • 階段が大変になった
  • 頻尿や残尿感がある
  • 夜間トイレが増えた
  • 便秘が強い
  • しびれや痛みが強い
  • 外出が不安になってきた

HAMは、歩行だけでなく排尿・排便、しびれ、疲労など生活全体に影響することがあります。症状に合わせて、医師やリハビリ専門職と相談しながら対応していくことが大切です。


京都でリハビリを検討している方へ

エール神経リハビリセンター伏見では、

  • HAMによる歩行障害
  • 足のつっぱり
  • バランス低下
  • 転倒予防
  • 生活動作の不安
  • 杖や歩行器の相談

などに対して、専門的なリハビリを行っています。

「歩きにくさが進んできた」

「足がつっぱって動きにくい」

「今の状態に合ったリハビリを知りたい」

という方は、お気軽にご相談ください。


よくある質問

Q. HAMとはどんな病気ですか?

A. HAMはHTLV-1というウイルスが関係する脊髄の病気で、足のつっぱり、歩行障害、排尿・排便障害などがみられることがあります。

Q. HAMではなぜ歩きにくくなるのですか?

A. 脊髄の障害により、足のつっぱりや筋力低下、バランスの取りにくさが出るためです。特に両下肢の痙性麻痺が特徴とされています。

Q. HAMでもリハビリは必要ですか?

A. はい。歩行能力を保つ、転倒を予防する、足のつっぱりに対応する、生活動作を続けやすくするために、状態に合わせたリハビリが大切です。


まとめ

HAM(HTLV-1関連脊髄症)は、

  • 足がつっぱる
  • 歩きにくい
  • 転倒しやすい
  • 頻尿や残尿感がある
  • 便秘がある
  • しびれや痛みがある

といった症状がみられることがある病気です。

リハビリでは、

👉 足のつっぱりに対応する

👉 歩行やバランスを整える

👉 転倒を予防する

👉 疲れすぎない運動量にする

👉 排尿の困りごとも相談する

ことが大切です。

歩行だけでなく、生活全体を見ながら、その人に合った方法で安全に暮らし続ける工夫をしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

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