【筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは?】症状・生活で困りやすいこと・リハビリの考え方を解説

「手に力が入りにくい」

「足が上がりにくくなった」

「話しにくい・飲み込みにくいと感じる」

このような症状がある場合、**筋萎縮性側索硬化症(ALS)**という病気が関係していることがあります。

ALSは、手足・のど・舌・呼吸に関わる筋肉が少しずつ弱くなる病気です。筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かす命令を伝える運動ニューロンが障害されることで、筋力低下や筋萎縮が起こります。

この記事では、ALSの特徴や生活で困りやすいこと、リハビリで大切な考え方についてわかりやすく解説します。


ALSとは?

ALSは、正式には筋萎縮性側索硬化症といいます。

主に障害されるのは、体を動かすための神経です。

そのため、

  • 手足に力が入りにくい
  • 筋肉がやせてくる
  • 話しにくい
  • 飲み込みにくい
  • 呼吸がしづらくなる

といった症状が出ることがあります。

一方で、病気が進行しても、視力・聴力・感覚などは保たれることが多いとされています。


ALSで起こりやすい症状

■① 手が使いにくくなる

ALSでは、手や腕から症状が始まることがあります。

例えば、

  • 箸が使いにくい
  • 字が書きにくい
  • ボタンが留めにくい
  • 物を落としやすい
  • 手の筋肉がやせてきた

といった変化です。

日常生活では、食事・着替え・家事・スマホ操作などに影響が出やすくなります。


■② 足が上がりにくくなる

足の筋力が低下すると、

  • つまずきやすい
  • 階段が上がりにくい
  • 足先が引っかかる
  • 歩く距離が短くなる
  • 立ち上がりが大変になる

ことがあります。

特に、足先が上がりにくい「下垂足」や、足のつっぱりによる歩きにくさがみられることもあります。


■③ 話しにくい・飲み込みにくい

のどや舌の筋肉が弱くなると、

  • ろれつが回りにくい
  • 声が出しにくい
  • 水分でむせる
  • 食事に時間がかかる
  • 飲み込みにくい

といった症状が出ることがあります。

飲み込みにくさがある場合は、誤嚥や栄養不足につながることもあるため、早めに医療機関や専門職へ相談することが大切です。


■④ 呼吸がしづらくなる

ALSでは、呼吸に必要な筋肉が弱くなることがあります。

初期には気づきにくいこともありますが、

  • 息切れしやすい
  • 横になると息苦しい
  • 夜眠りにくい
  • 朝起きた時に頭が重い
  • 痰が出しにくい

といった変化が出る場合があります。

呼吸症状が出る前に呼吸機能障害が出ることがあるため、定期的な呼吸機能評価が重要とされています。


ALSの特徴

ALSは、これまでの記事で扱ったPSPやMSAとは少し特徴が異なります。

PSPでは「後ろに転びやすい」、MSAでは「自律神経症状」が大きな特徴でした。

一方でALSでは、

👉 筋力低下が中心

👉 手足・飲み込み・呼吸に影響が出やすい

👉 生活動作やコミュニケーションの工夫が重要

という点が大きな特徴です。


リハビリで大切なこと

ALSのリハビリでは、無理に筋力を鍛えることだけが目的ではありません。

大切なのは、

今できる動きを安全に続けること

疲れすぎを防ぐこと

生活をしやすくすること

です。

ALSに伴う筋肉や関節の痛みに対しては、リハビリテーションを早期から始めることが大切とされています。


■① 関節が硬くならないようにする

筋力低下が進むと、関節を動かす機会が減りやすくなります。

その結果、

  • 肩が上がりにくい
  • 指が伸びにくい
  • 足首が硬くなる
  • 姿勢が崩れやすい

ことがあります。

リハビリでは、関節の動きを保つために、ストレッチや関節可動域練習を行います。


■② 疲れすぎない運動量にする

ALSでは、無理に頑張りすぎると疲労が強くなる場合があります。

そのため、

  • 短時間で行う
  • 休憩を入れる
  • 体調が悪い日は無理しない
  • 疲れが翌日に残らない範囲にする

ことが大切です。


■③ 歩行や移動方法を見直す

足の力が低下してきた場合は、歩く練習だけでなく、移動方法の見直しも重要です。

例えば、

  • 歩行器
  • 装具
  • 車椅子
  • 手すり

などを、状態に合わせて検討します。

「まだ使いたくない」と我慢するよりも、早めに使うことで安全に動ける場合があります。


■④ 呼吸を考えたリハビリ

呼吸の筋肉が弱くなると、痰を出しにくくなったり、息苦しさが出たりすることがあります。

必要に応じて、

  • 呼吸状態の確認
  • 排痰の支援
  • 楽な姿勢の調整
  • 呼吸補助機器の相談

などを行います。

呼吸に関する変化は自己判断せず、医師や専門職と連携することが大切です。


■⑤ 食事・飲み込みの支援

むせや飲み込みにくさがある場合は、

  • 食事姿勢
  • 食事形態
  • 一口量
  • 食べるペース
  • 栄養補助
  • 胃ろうなどの選択肢

について相談が必要になることがあります。

無理に食べ続けるのではなく、安全に栄養を取る方法を考えることが大切です。


■⑥ コミュニケーション方法の準備

話しにくさがある場合は、早めに代わりの伝え方を準備しておくことが大切です。

  • 文字盤
  • スマホ入力
  • タブレット
  • 意思伝達装置
  • 視線入力

など、状態に合わせて検討します。

「話せなくなってから」ではなく、使えるうちに慣れておくことがポイントです。

ALSリハビリで大切なこと


自宅で気をつけたいポイント

■① 転倒しやすい場所を減らす

  • 床に物を置かない
  • コードをまとめる
  • マットを見直す
  • 段差を確認する
  • 手すりを設置する

など、環境調整が大切です。

■② 疲れる前に休む

「まだ動ける」ではなく、疲れる前に休むことが大切です。

■③ 食事中のむせを見逃さない

むせが増えた、食事に時間がかかる、体重が減ってきた場合は、早めに相談しましょう。

■④ 呼吸の変化に注意する

息切れ・痰が出しにくい・夜眠りにくいなどがある場合は、医師へ相談しましょう。

 


京都でリハビリを検討している方へ

エール神経リハビリセンター伏見では、

  • ALSによる筋力低下
  • 歩行や移動の不安
  • 関節のこわばり
  • 生活動作の困りごと
  • 福祉用具や環境調整の相談

などに対して、専門的なリハビリを行っています。

「今の状態に合ったリハビリを知りたい」

「安全に生活を続けたい」

「自宅でできる工夫を知りたい」

という方は、お気軽にご相談ください。


よくある質問

Q. ALSは筋肉の病気ですか?

A. 筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かす運動ニューロンが障害される病気です。その結果、筋力低下や筋萎縮が起こります。

Q. ALSでもリハビリは必要ですか?

A. はい。関節の硬さや痛みを防ぐ、生活動作を続ける、福祉用具を検討するなど、状態に合わせたリハビリが大切です。

Q. むせや息苦しさが出たらどうすればいいですか?

A. 早めに医師や専門職へ相談しましょう。嚥下や呼吸の状態は、定期的に確認することが重要です。


まとめ

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、

  • 手足の筋力低下
  • 筋肉のやせ
  • 話しにくさ
  • 飲み込みにくさ
  • 呼吸のしづらさ

などが起こる神経の病気です。

ALSでは、筋力を無理に鍛えることよりも、

👉 今できる動きを安全に続ける

👉 疲れすぎを防ぐ

👉 関節の動きを保つ

👉 飲み込み・呼吸・コミュニケーションを早めに準備する

ことが大切です。

症状に合わせて、リハビリや福祉用具、生活環境を見直しながら、その人らしい生活を支えていきましょう。

 

 

 

 

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