ロフストランド杖とは?
前腕で装着するカフと、手で握るグリップの二点支持で体重を受ける杖です。手関節だけに負担が集中しにくく、**上肢全体(前腕〜肩帯)**を使って歩行を安定させます。片手用・両手用があり、屋内外のどちらでも使用できます。
ロフストランド杖の5つの効果
1. 安定性の向上
二点支持により、T字杖や松葉杖に比べてふらつきが少なく、転倒リスクの低減が期待できます。狭い場所や段差でも姿勢を保持しやすいのが利点です。
2. 自立した移動の促進
上肢の支持力を活用できるため、**「自分の力で歩く距離」**が伸びやすく、両手を使う作業への移行(ドアの開閉、買い物かごを持つ 等)もしやすくなります。脳卒中・外傷性脳損傷で下肢機能が低下している方に有用です。
3. 体重の分散
体重を手+前腕で受けるため、手首・肩への局所負担を軽減。長時間の歩行でも疲れにくい設計です。
4. リハビリの進行を助ける
歩行が安定すると活動量が増え、筋力・持久力・バランス向上につながります。残存筋力がある方ほど効果を発揮しやすく、段階的に杖の依存度を減らす戦略も立てやすくなります。
5. 個別ニーズに合わせやすい
身長・体格・左右差に応じた調整が可能。グリップ形状やカフのサイズなど、フィット感を最適化しやすく、成果を最大化できます。
向いている方/注意が必要な方
向いている方
片麻痺・両側性の筋力低下があるが、上肢に一定の筋力と協調性がある
立位でのふらつきが気になる、歩行距離をもう少し伸ばしたい
T字杖だと手首が痛くなる/腕がすぐ疲れる
注意が必要な方
上肢の著明な筋力低下・痛み(肩関節障害、重い手根管症候群 など)
認知面の課題が強く、安全に使い分けが難しい場合
強い骨粗鬆症や高度のバランス障害がある場合(専門家の評価を)
※医療的判断が必要なケースでは、必ず主治医・療法士にご相談ください。
正しいサイズの目安と調整ポイント
身長と杖長の目安
立位で肩の力を抜き、肘を**約20〜30°**軽く曲げた状態でグリップに自然に手が届く長さ。

グリップ高さは、おおむね**大転子〜手関節(手首のしわ)**付近が目安。

カフの位置と角度
前腕に均等に密着する角度へ微調整(きつすぎ・緩すぎはNG)。
グリップの向き
手関節が中間位で握れるよう、前腕軸と一直線を意識。
握り込みで親指・示指の付け根が痛む場合は形状変更を検討。
基本の歩き方(片手使用の例)
杖 → 患側下肢 → 健側下肢の順で前へ出す(三点歩行に準じる)。
歩幅は小さめ・リズム一定に。視線はやや先を見る。
旋回・方向転換は小回りで分割し、足元を確認してから。

両手使用の場合は、左右の杖→患側→健側の順など、症状に合わせてパターン化します。最初は療法士の指導下で練習しましょう。
よくある不調と対処のヒント
手首が痛い:高さが低すぎ/握り込み過多。1〜2穴上げて肘角度20〜30°に再調整。グリップ形状の再検討も。
脇・肩が疲れる:カフ位置が高すぎ、体幹前傾が強い。体幹アップライト&骨盤中央荷重を意識。
つまずく:杖先(先ゴム)が摩耗していないか確認。先ゴム交換と歩幅の微調整を。
肘や前腕が痛い:カフの締め具合が不適切。均等圧になる角度へ変更。
安全に使うためのチェックリスト
先ゴムの摩耗・ひび割れはないか
屋外は滑りやすい路面(雨・マンホール・白線)に注意
段差は杖先を確実に接地→足を運ぶ順で
長時間歩行の前後は手・前腕のストレッチを実施
購入・導入のコツ
試歩評価:複数サイズ・グリップで実際に歩いて比べる
生活動線:自宅の廊下幅・玄関段差・トイレ内回りを想定
複数本の使い分け:屋外用(先端ゴム厚め)と屋内用(軽量)で最適化
まとめ
ロフストランド杖は、安定性の向上、自立した移動の促進、体重の分散、リハビリ進行の後押し、個別調整という5つの面から、リハビリを強力に支えるツールです。適切な評価・調整・練習を行うことで、転倒リスクの低減と活動量アップが同時に狙え、**生活の質(QOL)**向上に直結します。
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「今の杖が合っていない気がする」「ロフストランドに切り替えたい」などのご相談も歓迎です。まずは体験リハビリで歩行の課題と最適な用具をご一緒に見つけましょう。
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