「短下肢装具を着けるように言われたけれど、何のため?」「いつまで必要なの?」と感じることはありませんか。
短下肢装具(AFO)は、足首や足の動きを支え、立つ・歩く動作を補助するための道具です。何を支えるか、どの場面で使うかは、身体の状態と生活の目標によって変わります。[1]
装具の目的、種類の考え方、日々の確認項目を整理し、困ったときに相談しやすくなる情報を紹介します。
01 GUIDE
短下肢装具の目的|足先と足首を支える
AFOはAnkle-Foot Orthosisの略です。膝の下から足部にかけて使い、足首・足の動きを制御します。足首だけでなく、膝や姿勢、バランスに影響することもあります。[1]
脳卒中後に足先を持ち上げにくく、床に引っかかる場合や、足首・足部が不安定で歩行に支障がある場合には、装具を検討することがあります。英国・アイルランドのガイドラインも、こうした状態に対するAFOなどの検討を勧めています。[2]
ただし、装具が必要かどうかを、見た目や診断名だけで決めることはできません。普段使う靴や杖、歩く場所、着脱できるかも含めて評価します。
02 GUIDE
装具で何が変わる?研究結果と限界
歩行可能な成人の脳卒中患者を対象とした11試験、計1,135人の系統的レビュー・メタ解析では、AFOが装具なし・対照条件と比べ歩行速度を改善することを支持する、中程度の質のエビデンスが示されました。一方、バランスへの効果は結論が明確ではありませんでした。[3]
「装具を着ければ必ず速くなる」「転倒しなくなる」「麻痺が治る」という意味ではありません。研究の平均的な結果と、自分が装具でどう歩けるかは分けて考えましょう。
装具を試す際は、足先の引っかかりだけでなく、痛み、歩きやすさ、疲れ方、着脱、普段の移動先で使えるかを担当者に伝えてください。
POINT
装具の目標は「着けること」そのものではありません。目的、身体との適合、実生活での使いやすさを確認しましょう。
03 GUIDE
種類は、固定・動きの許容・素材を合わせて選ぶ
足首の動きを制限するもの、継手などによって動きを一定範囲で許容するものなど、AFOにはさまざまな設計があります。素材名や見た目だけでは、その装具の役割を十分に判断できません。
「軽いほどよい」「動くタイプのほうが優れている」と一律に選ぶのではなく、必要な支持、関節の動き、膝への影響、靴との相性などを専門職と確認します。[1][2]
すでに処方された装具については、使用時間や着脱方法を担当者から確認してください。他の人の装具を借りる、自己判断で曲げる・削る・加熱する、といった調整は行わないでください。[1]
04 GUIDE
痛み・赤み・歩きにくさは、見直しの相談を
装具を外したら、足首や足の皮膚、装具が触れる場所を確認しましょう。見えにくい場合は、鏡や家族の手助けを使う方法があります。装具のひび割れ、部品のゆるみ、尖った部分も確認します。[1]
痛み、消えにくい赤み、水ぶくれや傷がある場合は、無理に使用を続けず、処方先や義肢装具士へ相談してください。装具を外したまま一人で歩くと不安定になる方は、移動方法も合わせて確認しましょう。[1]
皮膚の変化と痛みは、装具の適合を相談する手がかりです。姿勢や確認方法は無理のない方法を選びます。相談時には「いつから」「どこが」「何分くらい使うと」「どの靴で」「どの動作で困るか」をメモしておくと、見直す点を共有しやすくなります。装具を使う期間や、外すタイミングは個別に判断します。
脳卒中に関する既存記事は脳卒中と短下肢装具の解説、神経難病の方は装具を検討するタイミングの解説もご覧ください。
FAQ
よくある質問
RELATED
合わせて読みたい記事
脳卒中と短下肢装具の既存解説記事を読む →
神経難病で装具を検討するタイミング記事を読む →
AILE FUSHIMI
京都・伏見で、自費リハビリを本気で考えるなら。
あなたとご家族の「これからの生活」を、一緒に考えます。
京都のエール神経リハビリセンター伏見では、今後の生活が不安なあなたに寄り添います。一人ひとりの状態や目標に合わせた運動プランをご提案し、リハビリを提供しています。
京都での自費リハビリが、あなたの未来の一歩になります。
エール神経リハビリセンター伏見の施設紹介動画
REFERENCES
参考文献・資料
- Royal National Orthopaedic Hospital. A Patient’s Guide to Ankle Foot Orthosis A.F.O. 更新2025年8月5日.
- Intercollegiate Stroke Working Party. National Clinical Guideline for Stroke for the UK and Ireland. 2023. Sections 4.20, 4.22.
- Nascimento LR, da Silva LA, Barcellos JVMA, Teixeira-Salmela LF. Ankle-foot orthoses and continuous functional electrical stimulation improve walking speed after stroke: a systematic review and meta-analyses of randomized controlled trials. Physiotherapy. 2020;109:43–53. DOI:10.1016/j.physio.2020.08.002. PMID:33120054.
本記事は一般的な情報提供です。診断や個別の運動・装具の判断は、医師や担当の専門職へご相談ください。








