歩き始めに足が床に貼りついたようになる。狭い通路や方向転換で一歩が出ない。こうした「すくみ足」は、パーキンソン病でみられる歩行の困りごとの一つです。
まずは転倒しない状況をつくり、無理に足を出そうとしないことが大切です。目印やリズムなどの手がかりが役立つ場合がありますが、合う方法は人によって異なります。いつ・どこで・どのように起きるかを医師やリハビリ専門職に伝え、一緒に対策を選びましょう。
すくみ足とは?小刻み歩行との違い
すくみ足は、歩こうとしているのに足が一時的に出にくくなる状態です。歩幅が小さい「小刻み歩行」と同時にみられることもありますが、同じ意味ではありません。歩き始め、方向転換、ドアの前など、動きを切り替える場面で困ることがあります。[2]
「脚の力が弱いから」と一つの原因に決めることはできません。薬の効き方、注意の向け方、周囲の環境なども含めて確認します。筋力がある方でも起こる場合があり、本人の努力不足ではありません。
すくみ足が出やすい場面(場面のイメージ。個別の運動手順や診断を示す図ではありません)起きる場面を短く記録する
相談するときは、歩き始めか、曲がるときか、狭い場所かを伝えます。「夕方の台所の入口で」「薬を飲む前に」など、具体的な場面が分かると確認しやすくなります。服薬時刻との関係も、気づいた範囲で記録してください。
動画を撮るために症状を再現する必要はありません。安全に撮れた既存の動画があれば、本人の同意を得て診察や評価で見てもらう方法があります。すくみが増えた場合は主治医に相談し、薬の量や時刻は自己判断で変えないようにします。
足が止まったら、急がず安全を確保する
足が出ないときに前へ勢いをつけたり、家族が腕を引いて動かしたりすると、姿勢を崩すおそれがあります。急がせず、安定した支えを使えるか、いったん落ち着いて止まれるかを優先します。本人に合う対応を担当の専門職と確認しておきましょう。
視覚的な目印や一定のリズムを使う方法は、リハビリの選択肢です。[1] ただし、床の線を越えようとして無理に大股にする、速いリズムに合わせる、といった試し方は避けます。反応を評価してから、安全な条件で取り入れてください。
通路の物を減らし、曲がる場所や出入口に十分な空間を確保することも考えられます。家の環境を変える場合は、普段の移動手順や使っている歩行補助具も一緒に確認します。
安全を確保して一歩を考える(場面のイメージ。個別の運動手順や診断を示す図ではありません)リハビリでは歩行と生活場面をつなげる
理学療法では、歩行、バランス、動きを切り替える課題などを状態に合わせて評価します。APTAの診療指針では、外からの手がかりを用いる練習や歩行練習などが勧められています。[1] これは一律に同じ運動を行えばよいという意味ではありません。
目標は「すくみを完全になくす」だけでなく、「トイレの入口で安全に止まれる」「家族が適切に声をかけられる」など、生活の場面で具体的に考えます。練習できる時間帯や疲れやすさを相談し、方法を見直しながら続けます。
急に歩けなくなった、意識がおかしい、転倒して頭を打ったなど、いつもと違う変化があれば、リハビリ体験より医療機関での確認を優先してください。
疾患と施設での相談内容は、パーキンソン病のリハビリ案内でも確認できます。
よくある質問
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参考文献・参考資料
- Osborne JA, Botkin R, Colon-Semenza C, et al. Physical Therapist Management of Parkinson Disease: A Clinical Practice Guideline From the American Physical Therapy Association. Physical Therapy. 2022;102(4):pzab302.
- Parkinson’s Foundation. Freezing.
- 難病情報センター.パーキンソン病(指定難病6).
本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断、治療、個別の練習方法や利用できる制度は、医師・担当の専門職・相談窓口にご確認ください。








