「歩く速さの平均を知りたい」「身長が低いと、歩行速度も遅くなるの?」という疑問はありませんか。
歩行速度の参考値は、対象者や測定方法によって変わります。健康な成人の屋外歩行をまとめた研究では、普段の速さの平均が約1.31m/s、時速にすると約4.7km/hでした。ただし、これは誰もが目指すべき基準ではありません。[1]
この記事では、平均値の見方、身長との関係、単位換算、リハビリで歩く速さを確認するときのポイントを整理します。
01 GUIDE
歩行速度の平均|研究の対象と条件を確認
Murtaghらの系統的レビュー・メタ解析は、明らかな健康上の問題のない、地域で生活する成人の屋外歩行を調べた35研究、計14,015人を扱っています。普段の速さの統合平均は1.31m/sでした。[1]
この数値を、屋内の短い通路で測った記録や、脳卒中・パーキンソン病などのある方の記録に、そのまま当てはめることはできません。「平均より遅いから異常」「平均以上だから安全」とは判断しないでください。
歩行速度の測定を依頼するときは、普段の速さなのか、できるだけ速く歩いた記録なのかを確かめましょう。同じ「歩行速度」でも、指示の違う記録は同じ条件ではありません。
02 GUIDE
身長だけで、歩く速さは決められる?
身長だけから、その人の歩行速度を決めることはできません。歩行速度は、1歩あたりに進む距離と、一定時間に出す歩数の組み合わせで考えられます。歩幅だけが大きくても、足を出す頻度が変われば速度も変わります。
「身長172cmなら時速○km」「160cmなら時速○km」という固定の表から、自分の健康状態を判断しないようにしましょう。本記事では、そのような身長別の一律の数値を示しません。
家族と歩く速さが違うときも、無理に同じペースに合わせるより、「ついて行こうとすると怖い」「途中で休みたい」など、実際の負担を伝えることが大切です。
POINT
平均値は研究の参考情報です。自分の記録は同じ条件で比べ、速さだけでなく実生活での負担も確認しましょう。
03 GUIDE
m/sとkm/hの換算|距離と時間から計算
歩行速度の基本式は、歩いた距離(m)÷かかった時間(秒)=速度(m/s)です。m/sをkm/hにする場合は3.6倍、km/hをm/sにする場合は3.6で割ります。
10mを10秒で歩いた場合は1.0m/s、時速3.6kmです。10mを8秒なら1.25m/s、時速4.5kmとなります。この例は単位を理解するための計算で、診断や安全性の判定ではありません。
測定区間の前後に、歩き始め・止まるための距離を設ける方法もあります。その場合は、計測した区間の距離と時間で計算します。専門職から結果を聞くときは、「どの区間を、どの条件で測ったのか」を合わせて確認しましょう。
04 GUIDE
同じ条件で比べ、生活の目標につなげる
自分の変化を比べるときは、測定距離、普段の速さか最大速度か、杖・装具・介助の有無、靴、歩き始めを含むかどうかを記録しましょう。違う条件で速くなっても、それだけで身体機能が改善したとは言えません。
脳卒中後の歩行について、英国・アイルランドの脳卒中ガイドラインは、平らな場所での速さだけでなく、道路横断、不整地、距離や坂道など、実生活の歩行を評価することを勧めています。[2]
測定区間と使う道具・歩く速さをそろえて比べます。距離や測り方は専門職に確認しましょう。相談時には「家から近所の店まで行きたい」「家族と歩くと疲れる」「方向転換が不安」といった場面を伝えてください。速さに加え、休憩の必要性や補助具、移動先の環境も目標に関わります。
歩く速さの低下についての既存解説は、高齢者の歩行速度低下の記事をご覧ください。階段に不安がある方は、階段で確認したいポイントも合わせて確認できます。
FAQ
よくある質問
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AILE FUSHIMI
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REFERENCES
参考文献・資料
- Murtagh EM, Mair JL, Aguiar E, Tudor-Locke C, Murphy MH. Outdoor Walking Speeds of Apparently Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med. 2021;51(1):125–141. DOI:10.1007/s40279-020-01351-3. PMID:33030707.
- Intercollegiate Stroke Working Party. National Clinical Guideline for Stroke for the UK and Ireland. 2023. Section 4.22 Walking.
本記事は一般的な情報提供です。診断や個別の運動・装具の判断は、医師や担当の専門職へご相談ください。








