今回のリハビリでは、次のような取り組みを行いました。
① 股関節の柔軟性を取り戻す
手術後に硬さが残っていた股関節に対し、丁寧なストレッチで可動域を広げていきました。
② 筋力を少しずつ取り戻す
体幹や股関節の安定性を高めるために、お尻上げやスクワットなど、ご状態に合わせた筋力トレーニングを実施しました。
③ 歩き方を再教育する
平行棒を使い、体重のかけ方や足の運び方を細かくチェック。安全かつスムーズな歩行を目指しました。
④ 実生活に近い環境での歩行練習
施設内だけでなく、ご自宅周辺をセラピストと一緒に歩き、環境に慣れていただきました。
こうした積み重ねにより、わずか2週間で屋内の移動は安定してきました。
当初は「外に出るのが怖い」とおっしゃっていましたが、タクシーを利用してショッピングモールへ足を運ぶなど、徐々に外出の機会が増え、恐怖心も和らいでいきました。
そして1か月後には地下鉄や自転車を使って自由に移動できるまでに回復。
現在は復職も果たされ、日常生活を元気に送られています。
「手術後に本当に元の生活に戻れるのか」という不安を抱えていた方が、リハビリを通して一歩ずつ前進し、再び社会に戻っていく姿は、同じ悩みを抱える多くの方にとって大きな励みになると思います。